【AI連載小説】潮風がほどく夏 第04話「土盛海岸の青」

今までのお話

この作品はフィクションです。登場人物・出来事は創作です。実在の人物・団体とは関係ありません。文化・風習の描写には地域差や家庭差があります。

第04話 土盛海岸の青

凪に誘われた土盛海岸は、砂の白と海の青が眩しかった。けれど凪は、珊瑚や生き物を持ち帰らず、離岸流にも気をつけるよう真顔で言った。海は美しいだけの遊び場ではない。

裸足になった砂は、表面だけが焼けるほど熱かった。波打ち際まで走る凪の背中を追い、透は久しぶりに声を上げて笑った。笑った自分の声が、波より先に耳へ届いた。

凪は海の色が変わる場所を指し、急に深くなる所もあると教えた。島で育った彼女が海を軽く扱わないことに、透は驚く。親しさと用心は反対ではないのだ。

透は浅瀬で足を止めた。泳ぎが得意でないと言えずにいると、凪は『じゃ、今日は足だけ』と笑った。できないことを責めない笑い方に、透は少し救われた。

帰る前、二人は砂浜に残った空き容器を拾った。自分たちの物ではなかったが、凪は当然のように袋へ入れる。透も黙って手伝った。海の美しさは景色だけでできているのではないと、汗ばんだ袋の重さが教えた。

洗った足から細かな砂が落ちた。海への怖さと、もう一度あの青を見たい気持ちは、どちらも本物だった。

次回:第05話へ続く

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