【AI連載小説】潮風がほどく夏 第12話「ハートロックの潮時」

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最終更新日時: 2026年8月21日

今までのお話

この作品はフィクションです。登場人物・出来事は創作です。実在の人物・団体とは関係ありません。文化・風習の描写には地域差や家庭差があります。

第12話 ハートロックの潮時

干潮の時間を調べ、二人は海岸の岩場に現れるハート形の潮だまりを見に行った。時間を外せば海に隠れる場所だと知り、凪は『見たいものにも潮時がある』と言う。

潮だまりには小さな魚が影を落とし、空の雲まで閉じ込められていた。観光写真とは違い、風も足場のごつごつも、二人が黙った時間も写らない。

凪が足を滑らせかけ、透は反射的に腕を差し出した。触れたのは一瞬だったのに、離した後の手のひらが熱い。二人ともそのことには触れなかった。

水面を覗き込んだ二人の顔が並んだ。肩が触れそうになって透が離れると、凪も急に海ばかり見た。波音の間に、昨日までとは違う沈黙が生まれた。

岩場から戻る途中、凪はさっき支えられた礼を早口で言った。透も『転ばなくてよかった』と答えるだけで精いっぱいだった。海から吹く風は涼しいのに、二人の間だけが妙に熱く、帰り道の会話は何度も途切れた。

目を閉じると潮だまりの二人が揺れた。触れた手を忘れようと寝返りを打つほど、記憶は鮮やかになった。

次回:第13話へ続く

今までのお話

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