【AI連載小説】潮風がほどく夏 第23話「けんむんの話」

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最終更新日時: 2026年8月31日

今までのお話

この作品はフィクションです。登場人物・出来事は創作です。実在の人物・団体とは関係ありません。文化・風習の描写には地域差や家庭差があります。

第23話 けんむんの話

夜、徳一は森や川にいると伝わる妖怪けんむんの話をした。土地には、人が自然を恐れ敬い、境界をむやみに越えないための物語が残る。

徳一の語りは、怖い場面になるほどゆっくりになった。凪は身を乗り出し、透は笑いながらも窓の外を確かめる。森の暗さが、昼に見た森とは別の顔を持った。

話の結末を尋ねると、徳一は『話す人によって違う』と言った。正解が一つでないことを、透は以前ほど不安に思わなかった。違う語りを聞くために、また来ればいい。

凪は怖がらせようと窓を叩き、透は珍しく先に笑った。物語は本当か嘘かだけでなく、誰かが大事にした記憶を運ぶ。透は夏休みの作文に、島で聞いた声を書こうと決めた。

話を聞いた夜、凪はけんむんを探そうと言い出したが、透が『むやみに森へ入らない話だっただろ』と止めた。徳一は声を上げて笑う。凪もすぐ認め、二人は縁側から暗い森を眺めるだけにした。

暗い森から何かが見ている気がして窓を閉めた。怖さの奥には、もっと話を聞きたい好奇心が残った。

次回:第24話へ続く

今までのお話

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