【AI連載小説】潮風がほどく夏 第25話「海ぶどうの食卓」

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最終更新日時: 2026年9月1日

今までのお話

この作品はフィクションです。登場人物・出来事は創作です。実在の人物・団体とは関係ありません。文化・風習の描写には地域差や家庭差があります。

第25話 海ぶどうの食卓

夕食には海ぶどうと豚骨料理が並んだ。ぷちぷちした食感に透が笑うと、祖母は島の食文化にも家庭や地域ごとの味があると教えた。

豚骨は時間をかけて煮込まれ、箸でほどけるほど柔らかかった。食卓には徳一の昔話と祖母の訂正が飛び交い、一つの料理にも家族の記憶が重なっていた。

透は地図アプリの保存地点を凪に見せた。凪は有名な場所より、何でもない防波堤を追加した。『ここ、夕日がきれい』。観光案内にない場所を教わることが、特別に思えた。

『奄美を全部わかった顔はするなよ』と徳一が釘を刺す。透は頷いた。知ったのは島のほんの入口と、凪が見せてくれた景色だけだ。それでも、その入口を忘れたくなかった。

夕食後、透は凪を防波堤まで送った。潮の匂いの中で、凪が家ごとの味の違いを話し続ける。透は島を知ることと凪を知ることが、いつの間にか同じ道を歩いているように感じた。

分かれ道で凪と何度も振り返り合った。目が合うたび照れくさくなり、最後は二人とも前だけを向いた。

次回:第26話へ続く

今までのお話

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